先日リトリートにお越しくださったお客様と興味深い意見交換ができました。
「最近書籍で読んだのですが、数理系の学問分野は中年期で限界を感じる方が結構多いそうです。もちろん例外はあるでしょうし、一概には言えません。しかし、音楽や絵画は晩年期まで向上し続けられる確率が高いそうですね。だから、水谷さんのアプローチって面白いな、と」
国内屈指の国立大学を卒業され、テクノロジー進化社会の流れを感じながら生き方を考えていらっしゃる方です。
有難い言葉をお聞きし、私は一言付け加えさせて頂きました。
「農民も死ぬまで向上を目指してやり続けることが出来ると思います」
と。
この文脈で言えば、私は鍼灸師も近い性質を有するのではないかと感じています。
手先の器用さはさすがに最晩年には衰えるでしょうけど、業界の達人クラスの方々にお会いして驚くのは、まず実年齢と実際がかけ離れている方が多いということです。
男女共に。
もちろん良い意味でのギャップです。
つまり、70歳と言われても「えぇーーー!?50代に見えた。。。」と言うくらい若いのです。
40代の女性鍼灸師さんで、パッと見は30代、雰囲気は20代と同じく若々しく覇気がある、といったケースが珍しくないのです。
音楽、絵画は神聖なる対象に向けて努力し続ける行為そのものによって生命力が供給されるでしょうし、鍼灸師のような気・血の微妙な変化に鋭敏になり続ける仕事を通じて若さとバイタリティを保てるのでしょう。
個人的には芸術にも、農業にも、鍼灸にも、テクノロジーの最先端技術はドンドン入ってきて欲しいな、と思っています。
今回の議論の中心は技術進化云々や是非ではなく、自身のエネルギーを没頭する領域を年代に分けてどこに設定しておくと戦略上面白いかという点ですね。
私は技術はまだまだドンドンほぼ無限に進化していくと考えていますし、生命科学の進化と宇宙産業の勃興をワクワクしながら生きている人間です。
さらに言えば、BIG Moneyは大抵最先端技術・情報系もしくは宗教周辺を流れていることが多く、この点が現実を読み解く上で複雑性をさらに高めている要因とも思え、人間とは実に面白いふるまいをすると感じます。
さて、人生の天気予報は晴れのち曇りのち雨、春夏秋冬と移り変わります。
どこを人生の準備期とし、どこで収穫期を迎え、いつ貯蔵期に入り、そして種子を残す(情報を次世代に伝える)時期とするか。
人生全体に対する大凡の戦略がないと、突如ジタバタすることに陥りかねません。
時代の急激な変化の際、厭世観、終末観、否認主義、救世主思想等に無防備なままでの接近にもつながる可能性があります。
それはリスクを伴うのではないでしょうか。
だから現実現場で生きた意見交換と自分の頭で考え続けることが大切だと思います。
空想空理空論を取り除き、頭と、口と、身体と、手と、足と、そして魂をリアルに動かし鋭敏になり続けること。
商売の原理原則を今回も実感いたしました。
「お客様が常に答えとヒントを教えてくださる」
ありがとうございました!
医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。
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