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米食、基本の玄米2021/02/26

SUN AND MOON

2021/02/262021:02:26:10:49:41

米食、基本の玄米

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(↑私の大好物。炊きたてのもちもち玄米です。圧力鍋で炊きました。)

昨今は低糖質に注目が集まり、炭水化物を摂らない減量法(ケトジェニック)をよく耳にします。

ロカボ商品も店頭でよく目にするようになりました。

逆にケトジェニックはやり方を間違うと危険、と言われることもあるようなので、何事もバランスの問題なのかもしれません。

さて、私がここ17年間生活で取り入れているマクロビオティックですが、主食は全粒穀物です。

つまり、精製していない主食がベターとされていて、白米より玄米や雑穀、白いパンより茶色いパン、パスタもセモリナや小麦粉のものよりも全粒粉を使ったものの方が、食物繊維・ミネラル・ビタミンが豊富なのでメリットが大きいということです。

ただ、100%未精製ではないといけないということではありません。

年齢に対して必要な栄養素や、消化力の違いもあるため、吸収力を考慮した時に、必ずしも100%未精製のものが体に良いとも言えない側面もあります。

私自身、毎日玄米を食べているわけではなく、季節や体調に合わせています。
玄米は寒い季節にいただくことが多く、普段は分撞き米です。

私の場合はあまりパンを欲しないので、パンよりは米食が多くなっていますが、世間的には、米を食べる人が少なくなっていると聞きます。

思い返せば、小学校の頃の給食も基本はパン食で、小学校の中学年くらいにやっと週1でご飯の日があり、当時は「画期的!」と言われた記憶があります。(ご飯に牛乳はかなり斬新な取り合わせだと今でも思います)

良いか悪いかではなく、それくらい、パンを食べるという選択肢が生活の中で当たり前になっているということではないでしょうか。

また、パンを主食にする場合、主菜は必然的に洋風になるため、食の欧米化が進んだと改めて思います。

家で食事を作ろうと思った時、洋風の肉や魚をメインに使う食事は、和食と比べると手軽に作れるため、働くお母さんが多い現代ではメリットのある食事です。

日本人が欧米の食事を楽しむこと決して悪いことではないですが、日本の伝統的な米食が失われることは、あるべき姿ではないはずです。

米食が持つメリットもたくさんあると思います。

免疫活性には米なのか?!

当サイト内のグリーンライブラリで、米食の(特に玄米に特化した)メリットがとてもよくわかる書籍、医師たちが認めた「玄米」のエビデンスを過去にご紹介しましたが、監修された渡邊昌先生が昨年の夏頃に発表された論文があります。

それは、「米が主食の国のほうがCOVID-19感染率低い」というものです。

米を主食とした国のほうが、小麦を主食とした国より、COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)の感染率が低い、との統計的解析結果が明らかになった。渡邊昌東京農大客員教授(元国立がんセンター研究所疫学部長、メディカルライス協会理事長)と飯沼一元(株)ライステック社長(工学博士)の連名による論文「Low COVID-19Infection and Mortality in Rice EatingCountries」のなかで明らかになったもので、論文は去る6月25日、アメリカのオンライン研究誌「Scholarly Journal of Food andNutrition」に掲載された。

論文のなかで渡邊教授らは「米食者は腸内細菌がよく、免疫機能が高くなり、感染を抑制しているのではないか」と推定。今後のCOVID-19対策として、「特に玄米食や米糠の利用、全粒粉の普及など食生活の工夫や、農業政策にも目を配っていくことが望まれる」と指摘している。また「キスをする習慣(欧米)やマスクをする習慣(アジア)などを加味(補正)して計算すると、よりハッキリとした相関関係が浮かび上がってくる」とも。 

食品産業新聞 2020年8月17日より(*1)

免疫活性に腸内細菌の状態が深く関わっていると言われているのは、多くの方が耳にしていることだと思います。

その大まかなの構造として、腸内に存在する善玉菌・悪玉菌・日和見菌において、善玉菌の占める割合が多くなれば、腸内環境は整うと言われています。そして、悪玉菌の占める割合が高まると腸内環境がよくないわけですが、その原因の一つが肉・魚・卵・乳製品に含まれる動物性たんぱく質の過剰摂取による偏った食生活です。

動物性たんぱく質を摂取するシーンは、洋食にも和食にもありますが、調理方法を見てみると、動物性油脂(バターやラード)を使うことがあるという点や、主食より主菜が多い食事のバランスから考えると、洋食の方が動物性過多になりがちなのはうなずけます。

和食では、主食が主菜よりも量が多いパターンが多く、動物性たんぱく質の調理法も洋食に比べるとかなりあっさりしたものになります。

例えば、日本人のソウルフードと言われるおにぎりなどは、動物性たんぱく質を具に使用したとしても、その割合はお米の方が多いという良い例だと思います。

メリットが多い玄米をどう取り入れるのか?

米食にした時、メリットが大きい玄米ですが、ハードルが高いと思う方も多いようです。

少し前には、玄米に含まれている鉄分を含む金属を排出しやすいフィチン酸は大丈夫なのか?という議論もありましたが、結論としては、バランスよく食べれば問題はなく、デトックス作用が玄米にはあるということの証明と落ち着いているようです。

上手に炊けずにぼそぼそした食感で美味しくない、消化が悪い、噛むのが大変等々、取り入れる際の苦労もあるかと思います。

私自身過去の玄米を炊き比べするクラスを開催した際、多くの方から「玄米を美味しく炊けるようになって食生活に取り入れられるようにしたい!」と言われたことがきっかけでした。

玄米がきちんと炊けているかどうか見分けるサインが一つあります。

それは、玄米の外側の層(糠層)が爆ぜて、白いお米(胚乳)が飛び出ているか、です。

玄米の中に水分が浸透していないまま火を通すと、弾けることはほぼなく、ボソボソとした玄米になります。

それを手軽に、確実にできる術が、玄米を炒ることです。

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↑画像は、玄米を炒っている途中の段階です。これを上手にやるには、幾つかのやり方や下準備が必要です。

見ていただくとわかると思いますが、玄米の茶色い皮が爆ぜて、中の胚乳がポップコーンのように飛び出ています。

この炒り玄米を使って、おかゆやスープにすると、とても食べやすく、消化もしやすく、美味しいです

私はおかゆにすることが多いですが、そのままぽりぽり食べても◎。非常食にもいいですね。

ちなみに、炒り玄米をスープにしたものは、料理研究家で有名な辰巳芳子さんの「いのちのスープ」の代名詞で、究極の養生食とも言われています。

こんな時期だからこそ、米食を積極的に取り入れたいですね。

*1:食品産業新聞社ニュースWEBより  クリックでリンク先に

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THE KOKONOEシェフ 水谷 江希

THE KOKONOEシェフ水谷 江希

小中高をシンガポール・アメリカで過ごし、絵画修復士となるため奨学金を得てシカゴ美術館附属美術大学に合格。両親の都合で帰国し、筑波大学に入学。卒業後、外資系メーカーに入社し、プロダクトデザイナーとして働く。その後食の世界へと転身し、料理教室の開催・講師業を務める。2020年、シェ・パニースへインターンシップのため渡米。料理研鑽に励み、現在に至る

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