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新たなパラダイムはどうやって生まれていくのか?2018/11/17

SUN AND MOON

2018/11/172018:11:17:22:50:11

新たなパラダイムはどうやって生まれていくのか?

時代を先取りするようなアーティストの感性と直感。

理性をこえた次元で誕生したような先進的なビジョン。

それらを生み出すチカラそのものの正体は一体何だろうか?


Deep Forest
フランス北部出身のエリック・ムーケとミッシェル・サンチェーズによって結成され、1992年発表のデビュー・アルバム『アフリカン・コーリング』(グラミー賞受賞)では元テレックスのダン・ラックスマンによるプロデュースでアフリカ、ピグミー族の歌をサンプリングしたエスニックな世界を披露。その後作品を出すごとに東ヨーロッパ・ボヘミアンの世界やアフリカ・西インド諸島などのさまざまな音楽をミックスするなど、あらゆる音楽に目を向けた音作りで高い評価を得ている。
タワーレコードオンライン


今から2年前となりますが、Deep Forestが「evo devo」という不思議なタイトルのアルバムを発表しています。

楽曲はというと、近未来を感じさせるような、それでいてプリミティブな趣も感じさせるような―。

こうしたテイストの曲を聞きなれない人にとってはタイトルと同様に不思議な感じを持つかもしれません。

Stutter Dreamという曲。

King CrimsonのRobert Frippに似たギターリフから始まり、美しいピアノのメロディーとエスニックヴォイスのサンプラー。絶妙なバランスが心地よいアップテンポな曲。

不思議な浮遊感に浸れます。聞いてみてください。

evo devo(エボデボ)とは進化発生生物学のことで、正式名称は「evolutionary developmental biology」。


進化発生生物学は、異なる生物の発生過程を比較してそれらの系統関係を推測し、発生過程がどのように進化したかを示す生物学的研究の分野である。wikipedia


アート、音楽、ファッション、カルチャー、ビジネスで活用されるスキームやフレームワーク、コマーシャリズム、思考方法など、時代の流れと共に常に変化していきます。

10年前にベストセラーになった書籍と今現在書店もしくはネットショップでよく売れている書籍を比較すると、やはり違いがあります。

約10年前、ビジネス書では経営学者ピーター・ドラッカーが人気でした。未来学者とも評される現代経営学の父。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という書籍も出版されるくらいブームになっていました(もしドラ)。

「仕事を通じて自己実現」といった価値観に重きが置かれ、スマホが若者とビジネスマンを中心に普及が進み、営業先などの所在地を調べる際はパソコンでGoogle Earthで開いて印刷し、twitterが大流行し、崖の上のポニョが邦画でNO1興行収入となっていた時代です。

最近はデジタルマーケティング、人工知能、AIによるビッグデータ活用、IoTから、ローカル志向、人生100年時代、Life Shift、地方起業、ローカルイノベーション等といったキーワードの書籍が人気のようです。

仕事では、個が突出していくよりも「シェアリングを通じてチームやコミュニティで何かを達成していく」というムードが年々濃くなっている気がします。

自分自身もこの10年を振り返ると大変化を数回経験しています。

同じく社会も確実に変化しているー。

社会の価値観やパラダイムの変化は何によって引き起こされるのか?

この問いかけに答えるのは容易ではありません。

専門家の数だけ異なった物の見方と尺度があるに違いありません。

しかし、サイエンスによる新しい発見が変化を引き起こしていくトリガー要因になるケースが多々あるかと思います。

例えば、人生観。

昔、教養人が四書五経を暗唱できるくらいまで自身に落とし込んでいた時代に見えていた人生観と、高性能なコンピュータが駆使されるゲノミクスが猛烈な勢いで発展してきた21世紀における人生観は、明らかな違いが出てきていると思います。

人間とは何か?

という根源的な問いかけに対する見解も全然異なってくるはずです。

どちらが良い、悪いという話しではありません。

どんな時代を通じても普遍性が担保されている内容も多々あると思います。

でも、パラダイムは大きく変化していっているはずです。

理性と直感(インスピレーション)

今回、Deep Forestのevo devoのアルバムを聴いていて感じたこと。

進化発生生物学にインスパイアーされ製作されたアルバムの通り、発展する生命科学の先に見えてくる人間とは一体何か?この問題提起を音楽でクリエーションを試みよう、と。(実際に本人がそう思ったかどうかは定かではありません。あくまで私が感じたことです)

アーティストの感性や直感に熾烈さと相まって近未来のムードを感じる時があります。

まるで未来がどうなっていくかが、予めわかっていたかのように、新しいパラダイムを生み出す人達がいます。

直感によって得られたビジョンやイメージをサイエンスが論理的に追いかけて具現化させていく―。このパターンもあると思います。

商業的な成功ではなく、独自の世界を走るアーティストで、高度な直感により、未来を示唆するようなビジョンを生み出すような人達。

アートの世界に触れる醍醐味はこうしたところにもあるかもしれません。

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THE KOKONOE代表 水谷 翔

THE KOKONOE代表水谷 翔

医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。

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