先週から今週にかけて温かい日が続いています。
去年はもっと寒かったと思いますが、標高1,000m弱の圃場でも日中は15℃くらいまで上がります。作業中は暑いくらいです。
冬の降雪前に畑の撤収作業を始めています。作業がしやすい気候のうちにということで、人の手をお借りし一気に進めています。
今日は春に張ったマルチはがし。
3人でやると早い!数時間で何百メートルを終えることができました。農業はやっぱり人手ですね。
お互いに協力し合える体制をつくっていくのも、スムーズに気持ちよく農作業を続けていくポイントだと改めて実感しました。
平日の日中にも関わらず作業をお手伝い頂き感謝です。
さて、マルチをはがして姿をあらわした美しく感動的なもの。
その正体はナスタチウムの地表面の根圏層です。
最初、この白い物質は糸状菌か何かかと思いました。
でもよく見ると、夥しい数の毛細根だということがわかりました。
ナスタチウムの茎・葉・花の部分は霜でやられてしまっているため、数日前に刈り取りました。
でも、地上部の太い茎の部分と根はまだ元気に生きているんですよね。
自然界は力強く繊細で美しい。
マイナス15℃にも至る戸隠の冬。
越冬は難しいかと思うのですが、、、
仮説するだけでなく、越冬できるかどうか実際に試してみようと思います。
ニューロン(神経細胞)のような、コンピュータネットワークのような。
こんな複雑なシステムを植物は自己組織化してしまうのだから本当に凄い。
種から発芽し、根を張り、葉を茂らせ、花が咲き、さらに根を強く張り、僅かな水分でも吸収できるように毛細根が地表を覆う。
半年の間で土中と地表で四六時中営みが繰り返されていた様子を想像すると「恐れ入りました」の言葉しか出ません。
ナスタチウム。
食べれるお花・エディブルフラワーとして農cafeと民泊のお食事でも随分活躍してくれています。
(ハウス内のエディブルは今なお生存中で現役です!)
色鮮やかで独特の香りとツンとした辛味。
栄養成分も優れていて、免疫力アップにも良いとされています。
キンレンカ(金蓮花)は南米原産のノウゼンハレン科の一年草。別名をノウゼンハレン(凌霄葉蓮)ともいう。美しい花を観賞するためや茎葉や花をハーブとして食用にするために栽培される。学名はTropaeolum majus。2つの和名は黄色や橙色の花がノウゼンカズラに似て、葉はハスに似ることからつけられた。花言葉は「愛国心」。
ナスタチウム(英語Nasturtium)とも呼ばれるが、この名は正式にはオランダガラシ(クレソン)属を指す学名であって、似た味をもつために転用された通称である。
アンデス山脈などの熱帯高地原産のため25度を越える暑さに弱く、寒さにも強くはない。葉はハスなどに似て円形で中央付近に葉柄がつく。花は左右相称、花弁が5枚あり、後ろに細長い漏斗状の距があってここに蜜がたまる。花期は5月から11月頃と長く、花色はオレンジ、黄、赤、ピンク色など暖色系が中心。子房は3心皮からなり、果実は分果で3個に分かれ各1個の種子を含む。
花や若葉はサラダなどに入れて食用にでき、わずかにクレソンを思わせる辛味がある。また未熟の種子を塩漬けにしてケッパーの代りに使うこともある。
(wikipedia:キンレンカより)
野菜は育苗から生育の手入れを行い、種の採取をして、また次世代に繋いでいく作業を行っていると愛着が高まっていきます。
さらに野菜そのものの生態特徴や共生する微生物等の知識が加わってくると、もっと面白くなっていきます。
「来年はこうしたら良いのでは?」「こういう工夫をしてみよう」と打つ手が次から次へと出てきます。
本当に遣り甲斐があって有意義なこと。しかも、やればやるほど自身の生命力も鍛えられるような事は、実は足元に眠っていて、時間もお金もかけずに工夫次第で出来てしまう―それが里山暮らしの良いところなのです。
医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。
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