バークレーには驚くほど多様性に富んだ植物園があります。カリフォルニア大学バークレー校の植物園です。
1890年に設立され、現在は約13.7haという巨大な敷地面積を有しています。12,000種以上の植物が栽培されており、植物学・微生物学・遺伝学等の専門家の研究対象になっていますが、観光スポットとしても人気の場所で年間を通じて多くの旅行客が訪れます。
非常に変わった形をしたものや驚くべき機能を持つ植物も生育しており、理系の研究者だけでなく、アーティストや作家、ミュージシャンといった感性が大切な分野の方々にとってもインスピレーションの宝庫かもしれません。
世界各国から集まった膨大な種類の植物に圧倒され、とにかく凄いです。
分類階級でとらえると300以上の科、12,000以上の種と亜種、2,800以上の属が存在しているとのことです。温室・施設栽培と野外栽培の2パターンあり、多くは野外でした。標本は野生種からを採取し、移植されたそうです。
サボテン、ユリ、ヒマワリ、エリカ、ラン、シダ、バラといった属の植物から、薬草、人間が常食する経済品目の野菜、多肉、着生、肉食性、熱帯、絶滅危惧植物などが地理的レイアウト別に植えられています。
私達が足を運んだ時、入り口でガイドボランティアの方が丁寧に植物園のことを教えて下さいました。
その方によると、レッドリストを含む植物園の植物の遺伝子は情報バンクに登録されているそうで、絶滅等の有事の際はデータが活用され遺伝子工学により再生が試みられる可能性があると、非常に興味深いお話しをお聞きできました。
植物園の構造や植物の配置を指揮したのはカリフォルニア大学バークレー校でかつて教授として教鞭をとっていたジョン・ウィリアム・グレッグという方だそうです。
植物園の所在地を地図で確認すると、このような感じです。
バークレー校(写真中央がキャンパスの主要な敷地)からキャンパス内を行き来するバスで5分くらいでした。歩いても行けますが、坂が急で荷物が重たかったためバスで移動しました。植物園よりさらに坂を登ると、丘の上に医学系のキャンパスがあり、先端研究施設のようでした。
ちなみにオーガニック革命で世界的に有名なレストラン「シェ・パニース」からですと直線距離で2Km弱くらいでしょうか。車なら数分ですね。
○シェ・パニースでのディナーの記事も書いています。
▶︎全米で最も予約の取れないレストラン「シェ・パニース」は人のぬくもりと物語を次世代に伝える
植物は世界の様々なエリアに分けられて植えられています。
UNIVERSITY of CALFORNIA BOTANICAL GARDEN at BERKELEY VISITOR GUIDEより
植物園の入り口の門をくぐると別世界に入ったかのような楽園が目の前に広がります。3月半ばでしたが、日中はかなり温かく、美しくエネルギーに溢れたグリーンを見て感じることができました。
Arid house & Xerophytic fern display(乾燥施設と乾生シダの展示)
Deserts of the Americans(アメリカの砂漠)
Asia(アジア)
サンショウウオが水中にいました。
3月のバークレーで一足早い春を体感しました。
Australasia(オーストラレーシア)
World Garden(世界の庭)
こちらのエリアにはTHE KOKONOEでもお馴染みのエディブルフラワーが何種類か栽培されていました。バークレーは戸隠よりも随分と温かい気候のため、既に花が咲いていました。
それからボリジ(ルリジサ)。
こちらはカレンデュラです。
ビオラも咲いていました。
栄養満載の葉野菜スイスチャードです。
Mediterranean(地中海)やAfrica(南アフリカ)、Mexico / Central America(メキシコ / 中央アメリカ)、Orchid, Fern & Carnivorous plant house(蘭、シダ、食虫植物)といった施設内のコーナーからChinese medical herb garden(漢方薬草園)、Herb garden(ハーブ園)もあります。
1回の記事ではボリュームが大きくなりすぎてしまうため、後半は次回ご紹介させていただきます。
医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。
〒381-4102 長野県長野市戸隠豊岡327