ヨセミテ国立公園。
カリフォルニア州中央部の地球の楽園。
滝・川・岩・森・鳥・動物の圧倒的な自然美とスケール。
「人生で一度は行くべき」と言われる評判通りの感動がここにありました。
サンフランシスコ⇄ヨセミテのツアーが開催された2020年3月13日は天候にも恵まれ、もともとネイティブ・アメリカンが住んでいたという自然環境を存分に堪能できました。
今回の記事ではその様子をご紹介します。
ヨセミテ国立公園はカリフォルニア州中央部に位置し、1890年に国立公園に指定されています。1984年には世界遺産にも登録され、年間400万人以上も訪れる観光の名所中の名所であり、大自然の聖地です。
シエラネバダ山脈の西側の麓に位置するこの国立公園の面積は3081平方kmもあり、実に東京都の約1.4倍にもなるとのこと。しかし、ほとんどの観光客が足を運ぶエリアは全体の1%以下の場所で、主にヨセミテ渓谷だそうです。
地球上で最も大きな樹木であるジャイアントセコイア、世界最大級の花崗岩で標高1,000mのエル・キャピタン、ハーフドームと呼ばれる標高2,700mの半円形の巨大な花崗岩、最大落差739mのヨセミテ滝(アメリカで一番落差が大きい)、清流が流れるマーセド川など、見る者の心を魅了する圧倒的な自然美が溢れています。
こんな素晴らしい環境には、白人が入植する前はネイティブ・アメリカンが住んでいたとされています。しかし、カリフォルニア・ゴールドラッシュの時代に白人が激増し、ネイティブ・アメリカンは住む場所を追われたとのことです。
最も大きな理由はジャイアントセコイアに会いに行きたかったからです。
2012年のナショナルジオグラフィックで超巨大なセコイア の木の存在を知り、写真だけでも伝わってくる迫力に圧倒されました。心を鷲掴みにされて以来、いつか行ってみたい!と心中思っていました。
人間の寿命をはるかに超え、気が遠くなるほどの年月を生きてきた大地の主に会うことで、様々なインスピレーションやイマジネーションが広がるのは間違いないと感じていました。
人と人に不思議な縁があるように、場所や樹木とも見えない糸で繋がった縁があるのではないかと考えており、縁があれば生きているうちに必ず行けると信じていました。
それが今回の5日間のバークレー遠征でジャイアントセコイヤを見に行くことが叶い、魂が震えるほど感動しました。
幸運だったのは、今年が暖冬だったこと。
例年5月頃まではセコイアの森は雪が残っているため、行くことが出来ないケースが多いのだそうです。
しかし、今年3月は雪がほとんどなく、異例中の異例。
ツアーバスの中でガイドさんが「今日はセコイアの森に行けますよ」とアナウンスが入った瞬間に歓喜の声が起こっていました。
信じられないような偶然が重なりました。
渡米はサンフランシスコ国際空港(SFO)への直行便ではなく、韓国の仁川空港で一度トランジットしました。
待ち時間が8時間もあり、時間を持て余すことになりかけていたのですが、突如「ギリギリのタイミングだけど、ジャイアントセコイアを見に行けるツアーがないか探してみよう」という強い感覚がどこからともなく湧いてきました。
渡米前は何かと予定が詰まっており、バタバタしていたので、ジャアントセコイアのことは頭にあったものの、実際の行動プランや交通ルートは全くの未定でした。しかもバークレーからかなり距離があるため、仮に行こうと思っても現実的でないとも思えました。
ところが、仁川空港のwifiを利用してWEB検索したところ、たまたま自由に動ける3月13日のみ、サンフランシスコからヨセミテ国立公園への日帰りツアーの情報を見つけ(検索日は3月9日)、すぐさま問合せをしました。
バークレーに到着した翌日の朝に返信があり、なんとツアー参加OK!の返信でした。
信じられないようなタイミングと偶然によって実現したのです。
コロナウイルスの影響で仁川空港でのトランジット時間の延長がなければ、この流れは発生していなかったと思います。
Extranomical Toursという観光ガイドを行う会社のツアーサービスに申し込みました。
サンフランシスコ市街からヨセミテ国立公園の1日日帰りで片道約300Kmのバスツアーでした。
ジャイアントセコイアの森
ジャアントセコイアはセコイアデンドロン、セコイアオスギ(世界爺雄杉)等とも呼ばれます。
セコイアの森は山火事が度々発生するようなのですが、実はこれがセコイア の生態維持に不可欠な要素というから驚きです。
セコイアの種子が入った松笠は火が当たらないと開かないそうで、山火事が発生することで種が続いていくのだそうです。
そして樹皮は非常に厚く(60㎝以上)、タンニンを多量に含有するため、耐火性能が高いようです。
巨大な松笠が遊歩道に落ちていました。
花崗岩が至るところにあります。
セコイアの森への入り口には看板が立てられています。
ジャイアントセコイアです。
とにかく巨大!もの凄い迫力です。
上の2枚の写真では実際の大きさは分かりにくいと思いますが、私と並んでいる下のセコイアの2倍くらいの大きさです。
次はセコイアトンネル。
こちらも巨大です!既に死んでしまっており、焼けていますが、それでも凄い迫力でした。
記念撮影をしている人達も大勢いました。私も1枚記念に。
これは次の世代の赤ちゃんセコイアですね。
数千年後は一体どんな世界になっているでしょうか。
世界中の杉の仲間のガイドボード。
戸隠の奥社参道の大杉や中社の三本杉、日本一の樹高(約64m)の京都・花脊の三本杉なども、植物分類学的には親戚なのでしょうね。
エル・キャピタン
ヨセミテ渓谷にそそり立つ1枚岩の花崗岩です。
その大きさは世界一の約1,000mとされ、ロッククライマーの聖地として有名です。
エル・キャピタン(中央左)を望んで。
ヨセミテ渓谷から見たエル・キャピタン。
怪物のような迫りくる異様なパワーがありました。
エル・キャピタンとロッククライミングのチャレンジの歴史などをガイドさんからお聞きしました。
ヨセミテフォール
アメリカで最も大きな落差をほこるヨセミテの滝。
1番の見事な時期は4〜6月の雪解け水の多い時期だそうですが、今年は暖冬のため3月でも水量は多めだったと思います。
パワースポット中のパワースポットとでもいうべきスポットでした。
マーセド川
とても美しい場所で、四季のそれぞれの顔をいつか全て見たいですね。
Eat out ・ショップ・ロッジ
自然の景観を損なわないような色調・デザインの建物でEat out・ギフトショップ・ロッジがありました。
国立公園内の最高の場所にあるためロッジは非常に人気そうで、平日にも関わらず駐車場は満車状態でした。
スターバックスも入っていました。
夢か幻か。
それくらいこの世ではないかのような自然環境でした。
近年世界中の民族の叡智を見直し、価値を再定義する動きが盛んになってきていると思います。
今日ヨセミテ国立公園として認知されている場所は、遥か昔にネイティブ・インディアンが住んでいたという事実は何を示しているのでしょうか。
テクノロジー社会への移行が盛んな現代で、デジタル技術の水準は年々高まっていますが、それでもなおカバーできないと思われる高い叡智を持っていた古代の民族。
その民族が住んでいた環境こそ突き詰めて行くことが様々な社会課題のブレークスルーのヒントになるかもしれません。
たった1日のツアーだったとは言え、予想をこえた数々のインスピレーションとイマジネーションを得ることができ、大変満足度の高いツアーでした。
▶︎今回のツアーでお世話になった Extranomical Tours 公式サイト(英語)
▶︎ツアー申込先 トラベルドンキー 日本語サイト
▶︎ヨセミテ国立公園 公式サイト(英語)
医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。
〒381-4102 長野県長野市戸隠豊岡327