ミツバチの人間への恩恵は計り知れません。
私達人間と自然との繋がりを強め、日々健康に生きるためのヒントが満載です。
そして、養蜂は単に蜂蜜を享受できるだけでなく、作物栽培の品質向上、さらには生物多様性の維持にも繋がると言われています。
蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)という言葉があります。
ミツバチの原因不明な大量失踪を意味します。
世界各国でのミツバチの大量失踪のケースは様々なメディアで報じられています。
フランス政府は農薬の成分とこの現象の因果関連を踏まえて、一部の農薬を発売禁止したというニュースは記憶に新しい方も多いと思います。
CCDの原因として
・栄養状態と気候変動
・農薬、殺虫剤の過度な使用
・病原菌と免疫機能不全説
・腐蛆病、ノゼマ病
・遺伝子組み換え農作物 (GMO)
・ミツバチの貸し出しと移動養蜂
・電磁波の放射
などが指摘されていますが、真偽のほどが明らかでない要素も多そうです。
そもそも自然現象は相互関係が非常に複雑なため、原因を一つに特定することの方が難しいのかもしれません。
私の場合は、とりあえず関心のあることは状況が許せば、まずはやってみるスタンス。
実際に養蜂を通じてミツバチを関わる事により、現場で得られる感覚やインスピレーションを大切にしています。
FAO(国際連合食糧農業機関)のよると、以下の6つのメリット(要約)をミツバチから人間は受けています。
引用元:Bee-ing grateful to our pollinators
1.食生活の改善(微量要素が豊富な食品を届ける)
人が常食をする米、小麦、ジャガイモ等は受粉がなくても基本的に育つ。しかし、果実や一部の野菜、ナッツなどの受粉が必要な作物は、微量栄養素が豊富に含まれ、栄養価も高い。▶植物と花粉媒介者には、相利共生の関係がある。彼らは生き残るためにお互いを必要としており、そのように進化してきたとされる。
2.ハチミツを与えてくれる
西洋ミツバチはわずか7種類であるが、年間160万トンの蜂蜜を生産している。蜂蜜は、抗菌性と防腐性を兼ね備えた天然甘味料。▶地域の小規模農家や森林保護活動は、養蜂を持続可能にする。
3.ミツバチは素晴らしい労働観を持っている
1匹のミツバチは通常1日約7000の花を訪問する。1キログラムの蜂蜜を生産するために400万の花の訪問が必要。▶ミツバチが働き続けるには水辺の環境が大切。水辺があることで休息とリフレッシュができる。
4.ミツバチは作物の味を良くする
よく受粉された植物はより大きく、より均一で、より美味しい果物と野菜を生産する。十分に受粉されていない場合、形が崩れたり、平凡な果物や野菜になる。変形したリンゴは、植物の受粉が不十分または不均衡であることを意味する。▶庭や圃場では、化学農薬、殺菌剤、除草剤を避けること。
5.食料生産と食料安全性を向上させる
小規模の多様な農場で受粉が適切に管理された場合、作物の収量が大幅な増加を示す研究結果がある。ミツバチや他の受粉昆虫は、世界中の20億人の小規模農家の食料生産を改善し、食料安全保障に関係する。▶受粉を確実にするために、ハチに適した生存環境を作り、農場の一部を自然の生息地として残す。一年中さまざまな時期に花を咲かせ、ヒマワリやコーヒーなどの魅力的な作物、アボカドやマンゴーなどの果樹を植える。殺虫剤の使用を減らし、特にハチの巣を作る場所では使用しない。
6.生物多様性を維持する
受粉は生物多様性に寄与する自然の最も重要なプロセスの1つ。多種多様な食用作物の生産に役立つ。世界の顕花植物の推定90%は、繁殖のために受粉に依存している。養蜂による受粉促進が樹木の再生を助け、森林の生物多様性の保全に繋がり、森林生態系の維持にも役立つ。
ここのえでは、土壌の生物多様性から、作物栽培や植生を考えるようにしています。
土作りに力を入れて、美味しく健康な野菜の栽培を目指しています。
土壌の生物多様性による作物の増収や品質向上、植生の多様性と調和までの因果関係をデータベースで論じていくことは簡単なことではありませんが、相関性は強いと感じています。
窒素固定菌(プロテオバクテリア門)のうち、有機物の分解能が高いとされるシュードモナス属といった微生物の働きを理解するだけでも、見える世界は変わります。
ここのえの敷地は山野草と樹木との共生関係を意識しています。人工的になりすぎないようにバランスを大切にして。
8月はアジサイが綺麗な時期でもあります。
食用ほおずきです。
ミツバチが入っていました!
春に地域の方から古代作物・マコモダケの株を分けて頂き、甕を利用して育てています。
私の背丈を超え、スクスクと生育中です。
見た目も良く、室外インテリアとして活躍しています。
そんなマコモダケの甕にはいつも水分が十分に含まれているのですが,,,
なんと今朝、マコモダケの甕の中で水を盛んに飲んでいるミツバチを発見しました!
感動的なシーンでした。
私達人間が生きるため(生かされる)ためには、自然との共生がいかに大事であり、人間が手を加えたこと(マコモダケを甕で栽培する)でも、自然界との共生のメカニズムに貢献できることを視覚的に体験できました。
水はほぼ毎日、山々からの伏流水が引かれた庭の小さな池からバケツで汲んでいます。
《ここのえ百花蜜の販売を始めています》
蜂蜜が好きな方、ミツバチの働きに関心がある方等に手にとって頂けましたら幸いです。
敷地・圃場では、化学農薬・化学肥料を使用せず栽培しています。高原花豆や様々なエディブルフラワー、山野草の花々にミツバチが入っています。
非加熱処理のため、生きたビタミンやミネラルが豊富に含まれていると思われ、エイジングケアや疲労回復も期待できるハチミツです。
医工学修士。信州大学大学院総合理工学研究科卒業。THE KOKONOEの経営と並行して修士課程に在籍し、先端生命科学の研鑽に励み学位を取得。植物優勢生育の条件を土壌微生物の比較ゲノム解析からアプローチし、学術と現場の両輪から探究。土づくりアドバイザー。ゴングパフォーマー。Sound Luxury 代表セラピスト。2021年より医療福祉専門学校にて鍼灸師の国家資格取得に向け研鑽に励む。
〒381-4102 長野県長野市戸隠豊岡327